週末に香港の隣町、深センに行ってきました。
友達の建築家夫妻とともに、深センの最新建築やアート/デザインスポットを1日かけて、くまなく網羅する、、、 つもりだったけれど、いかんせん、深センは大きすぎました〜。
予定していたスケジュールの半分も処理できず、結局、訪れたのは実質2ヶ所だけ〜。その2ヶ所が居心地が良すぎて、時間使いすぎました。

今回、深センを訪れて思ったのは、深センはかなりイケてる〜ということ。建物だったり、街の作りだったり、香港にはないエネルギーや自由さを感じました。
建築家夫妻曰く、深センにはクリエーターにとって、香港とは比べ物にならないほどチャンスが溢れているとのこと。 昨今の中国の発展ぶりにはいろいろな意見があるでしょうが、僕は街全体にとてもポジティブなものを感じました〜。

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それはともかく、この日、僕たちは朝10時にマカオ・フェリーターミナルから高速フェリーに乗り、深センの蛇口というエリアに向かいました。ものの50分ほどで蛇口ターミナルに到着。フェリー内もイミグレも人が少なく、電車で行くより断然簡単!
個人的に深センに行くのが億劫にになる理由に、電車とイミグレの雑踏が鬱陶しい〜というのがありましたが、フェリーなら全くのストレスフリー。
深センのどのエリアに行くのかにもよりますが、フェリーはかなりおすすめです! 

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ちなみに蛇口から香港国際空港へもフェリーが出ています。空港までは、たったの30分ほどの距離。蛇口のフェリーターミナルでは飛行機の Check-in 手続きもでき、深センの住人にとって、香港/九龍ステーションのような感覚で蛇口ターミナルから香港国際空港を利用できます。

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蛇口港の周辺は再開発の真っ只中でした。国際クルーズ客船用の寄港ターミナルや商業施設など多数建設中。近くにはヒルトンホテルもあり、近い将来、華南エリアの一つの観光拠点となることでしょう〜。

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今回、僕たちが蛇口から深セン入りをしたのは、深セン散策の一つ目の目的地がこのエリアにあるからでした。フェリータミナルから歩いて15分ほどにあるその目的地は、Design Society / 海上世界文化芸術中心と呼ばれる文化施設です。
近隣の一大商業・娯楽エリア、シーワールド(海上世界)の一環として、昨年12月にオープンしました。北側にシーワールド、南側に港に面した敷地にあります。美術館といったお堅い感じの施設ではなく、企画展用のギャラリーやアート/デザイン関連のショップ、シアター、カフェなどが集まった総合文化施設といったところ。

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中国でこういう新規プロジェクトを始める時、すごいと感じるところは、世界中から一流のプロジェクトメンバーを揃えることができるところ。
このDesign Societyは、オランダから有名アートプロデューサーを総合監督として招き入れ、かつロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館とも企画提携、そして、建物の設計は日本の建築界の巨匠、槙文彦氏に依頼と、話題性十分〜。これだけのメンツが上海や北京でなく、深センに、しかも深センの中心地でなく、ちょっと外れた蛇口地区に集まるとは、凄すぎます〜。
この施設には、資金面においては、China Merchants Group という超一流国営企業がバックについています。逆にいうと、これだけの施設をこの蛇口地区に作ったのは、それだけこのエリアに対しての期待度が高い現れではないでしょうか。

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さて、建物を見る前に、設計を担当した槙文彦氏について軽く。
槙文彦氏の作品といえば、代官山のヒルサイドテラスや青山通りのスパイラルなどが有名です。奇をてらわず、真正面からモダニズム建築を体現する建築家。ミニマムというか余計な作家性を極力抑えた、純粋に美しい建築を作ることに定評があります。世界の建築界で一番権威のある賞、プリツカー賞の受賞者でもあり、ニューヨークのワールドトレードセンター跡地に超高層ビルの設計も担当しています。日本を代表する、世界的建築家と言えるのではないでしょうか。(これらの情報は、すべて建築家夫妻からの請け負いです〜!)

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氏にとって、中国初の建物がこのDesign Society。
建物の形態としては、モダニストらしく3つのシンプルな四角形のボリュームが、それぞれ、海、山、そして街の方角に軸をとって配置されています。3つの箱は半分だけ下の建物の上に食い込んでいて、もう半分は宙に飛び出しています。箱の内部にはギャラリースペースとシアターなどが入っています。

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この建物の一番の特徴は、緑化された屋根が敷地周りのランドスケープの延長として扱われていること。地上から屋外の階段を登り、地上4階の屋上まで登れるようになっています。

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屋上へは街側と、海側の両方から登れるようになっており、途中、2階、3階といろいろな階から建物内に入れるようになっています。外の道が建物の上まで延長して、まるで、建物が街と一体化しているかのように感じられます。

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建物の中部は、中央にある大きな吹き抜けスペースを中心に動線がとってあり、その周りに小さなギャラリーなどが並んでいます。この平面の展開は一般的なショッピングモールに似ています。もしかしたら、この施設は、アート/デザイン関連のショッピングモールを目指しているのかもしれません〜。
中には伝統的な中国の服をモダンにアレンジしたファッションブティックや画廊、将来的には輸入家具を扱うお店もテナントとして入る予定。大きな中華料レストランやおしゃれなカフェなどもあり、商業施設感強し。

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建物の中央にある吹き抜けスペースは暗くなりがちですが、いろいろな方向に空間が抜けていて、その空間を通して、自然光が入るようになっています。白で塗られた壁や天井に優しく反射しています。

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基本的に白が基調の空間ですが、ところどころに自然の石を使った壁や、木の階段などが現れ、その先の空間に進みたくなるような好奇心を湧きたてられます。

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吹き抜け空間では、階段が彫刻のように印象的にデザインされています。

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最上階にはコートヤードが設けられて、このコートヤードから中央吹き抜け空間に入る光が、訪問者を上へと優しく導きます。ここから屋上庭園に上がることも可能。

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この建物は、入口から出口まで動線が明確に決められているのではなく、訪問者が自由に館内を歩き回れるようになっています。各階で屋外テラスに出ることができ、屋外の階段と使って別の階に行き、また内部に戻ってきたり、動線が内と外を自由に行き来します。外に出ると周りの街や海への眺望が楽しめ、 常に自分のいる方角が意識できるようになっています。

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↑屋外階段から、街の方向を見る。
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↑吹き抜け空間から海を見る。

Design Societyでは現在、一階のギャラリーで槇文彦氏の個展が開催されています。その他のギャラリーでは、デザイン関連の展示、そして、この蛇口エリアの発展をまとめた歴史展などが開催されていました。
建築家夫妻が熱心に建物を見学している間、僕は蛇口の歴史展をチェック。中国発展の上で重要な役割を果たした蛇口の歴史と、経済発展を果たした現在の中国のさらなる野望などを垣間見ることができました。そして、このDesign Societyを資金援助しているChina Merchants Groupというのは、とんでもない企業だったことも知りました〜。

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↑突然、中国っぽい展示室。

まず、蛇口は中国が経済の改革開放を打ち出した1978年から、経済特区として重要な交易/工業地域として発展してきたことを知りました。そして、その開発と経営を任せられていたのがChina Merchants Groupだったのです。
ちなみに、China Merchants Group は、清の末期に皇帝のお墨付きの商船会社として設立されました。今では、金融、不動産、海運など様々な分野で影響力を持つ半官半民の巨大複合企業として、中国政府の海外戦略の片棒を担うとても重要な企業と成長しました。

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中国は現在、政府として一帯一路構想を掲げており、中国から中央アジアを経由してヨーロッパまで続く海運ルートを開拓中。そのルートは現在の海のシルクロードなどと呼ばれ、中国の経済的(軍事も?)基盤を築く上でとても重要な意味を持っています。
その政府の意向を受け、China Merchants Group はなんと、世界各地18もの国で、35の港湾を運営しているのです!そして、China Merchants Groupが蛇口エリアの発展に力を入れてきたのも、この開発モデルを世界各地に輸出するためだったのです。ですので、このエリアの成功はChina Merchants Groupにとって、いや中国政府にとってとても重要な意味を持っているのです〜。

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さすが、中国。したたかというか、民官も含め、国として進むべき道にブレがありません。これを知った後に蛇口エリアを見学すると、ちょっと見方が変わります。。。

それはともかく、建築家夫妻と再合流して、深セン観光一つ目の目的地、Design Societyの見学を終えました。そのあと、ここから道を挟んで向かい側にある、シーワールド(海上世界)をちょこっと覗きに行きました。

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毎回、香港から中国に来ると感じるのが、土地の広さ〜。
以前は、中国の再開発された都市はだだっ広いだけで面白みに欠けていると感じていました。しかし、この蛇口近辺はいい感じに公園や建物で空間が埋まってます。道路の幅も、深センの他のエリアでは6車線以上のもあったりして、そのスケールに圧倒されますが、この辺は2〜4車線と、とても落ち着きがあります。

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シーワールド(海上世界)は蛇口地区の中心的な繁華街。低層の建物と程よい大きさの遊歩道が組み合わさったストリートモール型の商業地区です。

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かなり人工的な環境ですが、緑が多くて、大変心地いい〜。土地が広いって、それだけでいろいろな可能性があります〜。

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このエリアの目玉は、人工湖に浮かぶ巨大な客船。現在はレストランとして再利用されています。ワンポーとはスケールが違う〜!

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人工湖を囲むようにレストランやバーなどが数多くあります。テラス席は週末なのに、そこまで混んでいませんでした。午後まったり過ごすには最適の場所〜。

以上、駆け足でシーワールドを見学し、深セン観光の次の目的地に向かいます。
次に訪れたエリアが、自分的にどハマり〜。
深センにこんな素敵な場所があったなんて、、、正直、驚きでした。

詳しいことは次回の投稿で。

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